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2020年12月14日月曜日

うつ病の治療 抗うつ薬・抗不安剤とその薬効 抗うつ薬の種類

  うつ病の抗うつ薬について、前回、前々回に私が服用している、サインバルタとリフレックスについて紹介しましたが、うつ病の抗うつ薬には、以下のようなものがあります。

 うつ病の抗うつ薬は、その化学構造、作用機序によって、三環系、四環系、SSRI、SNRI、NaSSAと呼ばれる5つのグループに分類されます。サインバルタはSNRI、リフレックスはNaSSAにそれぞれ分類されます。

 また、抗うつ薬は開発された年代順に、古いものから順に、三環系→四環系→ SSRI→SNRI→NaSSAというようになります。心療内科や精神科の医師の判断によると思いますが、新しく開発された薬ほど、脳内の対象により選択的に作用するので、効果が高く一方、副作用が少ないため、後発の抗うつ薬を用いられることが多いように思います。


三環系

イミプラミン(イミドール、トフラニール)

クロミプラミン(アナフラニール)

ドスレピン(プロチアデン)

ロフェプラミン(アンプリット)


四環系

マプロチリン(ルジオミール)

セチプチリン(テシプール)

ミアンセリン(テトラミド)


SSRI

フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)

パロキセチン(パキシル)

セルトラリン(ジェイゾロフト)

エスシタロプラム(レクサプロ)


SNRI

ミルナシプラン(トレドミン)

デュロキセチン(サインバルタ)


NaSSA

ミルタザピン(リフレックス、レメロン)


2020年12月12日土曜日

うつ病の治療 抗うつ薬・抗不安剤とその薬効 リフレックス

 うつ病の薬餌療法で用いられる抗うつ薬、抗不安剤の2つめの紹介はリフレックスです。

よく、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)と表記される抗うつ薬で、脳内のノルアドレナリン・セロトニンの神経伝達を増強することによって、気分を和らげ、不安、イライラ、不眠等の症状を改善する薬効があります。

私はこれまで4回のうつ病の経験で、今回初めて服用しています。担当医の話では、先に紹介したサインバルタとの相性は良いとのことです。

服用にあたり、通常、1日1回1錠(15mg)から始め、その後1回1〜2錠(15〜30mg)が投与されます。最大、一日3錠を超えない範囲で適宜増量されますが、増量は一週間以上の間隔をあけて行われます。

リフレックスは、鎮静効果があるのか、眠気、めまい等の副作用があります。従って、服用は就寝前との指示を受けています。また、リフレックスの服用時のアルコール摂取は、薬の鎮静作用を強めることがあるため、できるだけ避けるよう医師から指示を受けました(とはいえ、やはりお酒抜きばかりは味気ないので、たまに飲んでいますが・・・😅😅)。

副作用として、セロトニン症候群 、 不安 、 焦燥 、 興奮 、 錯乱 、 発汗 、 下痢 、 発熱 、 高血圧 、 固縮 、 頻脈 、 ミオクローヌス 、 自律神経不安定 、 無顆粒球症 、 好中球減少症 、 感染症 、 痙攣 、 肝機能障害 、 黄疸 、 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 、 SIADH 、 低ナトリウム血症 、 低浸透圧血症 、 尿中ナトリウム排泄量増加 、 高張尿 、 意識障害 、 皮膚粘膜眼症候群 、 Stevens−Johnson症候群 、 多形紅斑 、 QT延長 、 心室頻拍と書かれています。

そのものだけ読んでも、さっぱりよく分からないものが多いのですが、不安症状が現れることがあるそうですので、その場合は医師に早めに相談する方が良いと思います。

私自身は強い眠気を感じる以外は、ここに書かれているような副作用が出たことはありません。


2020年12月11日金曜日

うつ病の治療 抗うつ薬・抗不安剤とその薬効 サインバルタ

 うつ病の薬餌療法で用いられる薬として、抗うつ薬、抗不安剤などがあります。今日から数回にわたり、実際に自分が服用した抗うつ薬、抗不安剤について、その体験に言及したいと思います。

初回は抗うつ薬のサインバルタです。

サインバルタは、塩野義製薬により販売されている薬で、薬効として、脳内の神経伝達を改善し、意欲を高め、憂鬱な気分等を改善するとあります。

うつ病は、セロトニンやノルアドレナリン等の脳内神経伝達物質の働きが不調となり、意欲の低下、不安、不眠などの症状があらわれることから、サインバルタでは、脳内でセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、これらの神経伝達物質の働きを増強することで抗うつ作用を促します。

私の担当医師は、初回からこのサインバルタを抗うつ薬として投与してきており、おそらく、医師の見立てでは私のうつ病には抗うつ薬としてサインバルタが合っていると判断しているのだと思います。

サインバルタはカプセル20mgで、薬効が現れるまで最低2-4週間かかり、最初は1カプセルから始め、少しずつ増量していき、最大一日3カプセルまで投与が可能だそうです。

気になる副作用ですが、

眠気、めまい、ふらつき、頭痛、吐き気、嘔吐、便秘、喉の渇き、おなかの膨張感、動悸、血圧上昇、排尿障害等が挙げられています。

自分が経験したものとしては、眠気、めまい、ふらつき、便秘で、特に便秘には悩まされています。

また、投与量が増え、薬効が現れて回復期に入ったとき、躁状態に転じることがあり、自分も一度総に近い状態になったことがあります。

私の経験では、減薬は半年から1年くらいかけて行われ、寛解時に投与を停めるということになるようです。

2020年12月5日土曜日

うつ病の対策 うつ病中にやってみたこと 4

うつ病の発症の仕組みは、脳内にある神経伝達物質のモノアミンが減ることで引き起こされるとされています。

うつ病の薬物治療のうち、抗うつ薬は特に、脳内の神経細胞からいったん放出されたセロトニンやノルアドレナリンが、再び神経細胞に取り込まれるところを抑制し、神経細胞と神経細胞の間のセロトニンやノルアドレナリンが増えるように働くようにします。

これらの脳内物質を増やす治療は、心療内科や、精神内科で処方される薬物に頼るのが現在でも主流ですが、最近よく見かけるようになってきたのが、セロトニンなどを増やすサプリです。

例えば、Amazonで「セロトニン サプリ」で検索すると、このようものが引っかかってきます。

Yahooショッピングだと「セロトニン サプリ うつ」のキーワードでこんなかんじです。

私はもともとあまりサプリメントというものに信頼感を持っていませんでしたので、うさん臭さを感じながら眺めていたのですが、長引くうつ病に藁をもすがる思いで、こちらのサプリを買って試してみました。




普通のサプリと比較し、かなり高いですが、精神保健福祉士が監修をしているというので、多少は信頼性はあるのかな、と思って試しています。


このサプリを飲み始めて一週間くらいでうつ抜けでき、その後ずっと安定しているのですが、果たしてこのサプリの効果によるものか、あるいは、外の友人と話をしたことがうつ抜けの要因になったのか定かではありません。

ただ、自分のうつ抜けのタイミングとは重なったので、処方される抗うつ薬で上がり切らない方は、試されてみる価値はあると思います。


2020年11月29日日曜日

うつ病で処方される薬 1 抗うつ薬

 うつ病の治療は、主に抗うつ薬が使われます。

抗うつ薬は、SSRI, SNRI, 三環系、四環系、NaSSAなどに分類されます。主な薬として、以下のようなものがあります。

三環系
アモキサピン(アモキサン)
ノルトリプチリン(ノリトレン)
アミトリプチリン(トリプタノール)
トリミプラミン(スルモンチール)
イミプラミン(イミドール、トフラニール)
クロミプラミン(アナフラニール)
ドスレピン(プロチアデン)
ロフェプラミン(アンプリット)

四環系
マプロチリン(ルジオミール)
セチプチリン(テシプール)
ミアンセリン(テトラミド)

SSRI
フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
パロキセチン(パキシル)
セルトラリン(ジェイゾロフト)
エスシタロプラム(レクサプロ)

SNRI
ミルナシプラン(トレドミン)
デュロキセチン(サインバルタ)

NaSSA
ミルタザピン(リフレックス、レメロン)

NHKの健康チャンネルによると、抗うつ薬を使う場合、まず選択されるのがSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)です。

このページをご覧になるうつ病を患っている方なら、目にしたことのある名前の薬も多いのではないでしょうか。

私の場合は、これまで、サインバルタとリフレックスが処方されてきましたので、この2つの抗うつ薬の特徴を下記します。

1. サインバルタ

作用:脳内でセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、脳内の神経伝達をスムーズにし、憂うつな気分を和らげ、やる気がなくなる、不安といった症状を改善します。

主な副作用:吐き気、傾眠、口渇、頭痛、便秘、下痢、めまい、腹部痛、不眠、倦怠感、食欲減退、高血糖、嘔吐、体重増加、腹部不快感、発疹、かゆみ、じんましん、接触性皮膚炎、光線過敏反応(日光による過度の日焼け、かゆみ、色素沈着)、血管浮腫、皮膚血管炎などが報告されています。

確かに、眠気、便秘、下痢には悩まされました。また、4回目のうつ病の際、食欲減退が起きたのですが、ひょっとすると、サインバルタの副作用かもしれません。

また、うつ病が回復してくると、躁転することがあるようです。これも実際に経験しているので、その際には医師に相談する方が良いと思います。

2.リフレックス

作用:脳内のノルアドレナリン・セロトニンの神経伝達を増強することにより、気分を和らげ、不安、いらいら、不眠などの症状を改善します。

主な副作用:傾眠、口渇、倦怠感、便秘、体重増加、浮動性めまい、頭痛などが報告されています。私の場合、喉の渇き、ひどい便秘に悩まされました。

2020年11月12日木曜日

うつ病の発症4回目 3:うつ病の兆候

 うつ病の兆候は、思考がネガティブになったところから現れました。アベノマスク、全国民への一律10万円の給付等、場当たり的な政府のCOVID-19対応には頭に来るものがあり、始終怒りを感じていました。

それが、7月に入る頃から、段々諦めと厭世観が出てきて、変わらないCOVID-19への政府、行政へのつたない対応に嫌気がさし、ニュースを見たり、新聞を読むのが嫌になってきました。

決定的に一段エレベーターが落ちたな、と感じたのは、期待していた夏のCOVID-19の鎮静化がなくなったことによる、業務での年度内の海外出張がなくなったことでした。

私は25歳頃から、海外暮らしを合計6年、海外出張を年間50-70日のペースで過ごす生活を続けてきており、国内でたまったストレスを海外で発散することで、心のバランスを保ってきていました。

「今年の海外出張はなくなったよ」。同僚の言葉は、私のうつ病の発症の大きな一つの要因になりました。

こうして、8月15日頃からうつ病の急性期に入り、有給休暇を使って、週に2日程度休むことが増え、ついに8月25日から、人生初のうつ病による休職に突入してしまいました😥😥。

2020年11月11日水曜日

うつ病の発症4回目 2

 4回目のうつ病の発症は突然訪れました。

3回目のうつ病発症時と同様、うつ病の兆候を感じたため、二日に1錠服薬していた抗うつ薬のサインバルタを毎日服薬し、デパスも同様に毎日服薬に変更し、担当医に連絡して心療内科の診察を10日間早めました。

担当医には、不安な感覚があること、そわそわと落ち着かないこと等を伝え、うつの兆候が出ていることから抗うつ薬、抗不安剤の増量を頼みました。医師の対応は素早く、抗うつ薬のサインバルタを2錠、抗不安剤のデパスを2錠、またユーロジンを1錠処方してくれました。

でも、時すでに遅しでした。ここからうつ病の急性期が始まり、8月中旬には職場から帰宅した後は全く身動きが取れなくなるほど落ち込みました。うつ病の急性期を言葉で表現するのは難しいですし、人それぞれ異なった印象を持つようですが、台風の大雨の中にさらされているようだという人もいますし、私はいつも壊れたエレベーターに乗っているような急速に落ちていく感覚があります。

うつ病再発の原因は何だったのでしょう?

今でも自分で特定の要因を探すことはできません。うつ病にはストレスが起因していることが大きいと言われますが、当時、ストレサーとなっていたものとしては、

1) COVID-19の中での通勤:非常事態宣言下でも週3回は通勤していました。
2) 妻の入院:COVID-19の影響もあり、面会はかなわず、週2回、必要なものを持って行き、持って帰るだけの日々が2か月続きました。
3) 職場の業務内容の大幅な変更:出張がなくなり、ただパソコンの前に座り、いつ再開できるかわからない研修プログラムについて、各国の関係者、講師とメールやZoomでやり取りする毎日でした。
4) 7月の記録的な日照不足と、8月の猛暑:特に、梅雨明け後のマスク着用での出勤は苦痛以外の何物でもありませんでした。



2020年11月9日月曜日

うつ病の発症3回目 2 :うつ病への対応

上司及び職場環境がうつ病の原因とはっきりしていただけに、これまで経験した4回のうつ病の中では、比較的対応しやすかったように記憶しています。

まずは、通っていた心療内科での処方箋を守ることで、最大サインバルタ2錠、デパス3錠、ユーロジン1錠を服用していました。このあたりは、2回目のうつ病発症時と同じです。原因が原因だけに、その環境にいる限りは治らないわけで、うつ病の原因となっている環境から如何に早く離れるか、うつ病の原因となっている相手と如何に対立しないかに注意を払い、抗うつ薬、抗不安剤を飲みながら、ただ体力の回復を待ちました。

一定の体力が回復したところで、空いている時間を有効に活用し、求職活動を行いました。幸い、週4日の契約でしたし、うつ病の治療での通院という口実があり、有給休暇も活用して、9月から3か月にわたって求職活動を行った結果、12月までに次の就職先を無事に見つけることができ、年内で退社というかなり理想的な形で物事が進みました。

ということで、年内にはうつ抜けし、年末年始には海外旅行もしていたのだから、気楽なものです。

うつ病そのものの治療は今回も薬物療法によるものだけで、他に特筆すべきような治療は行わずに寛解の一歩手前まで行き、2020年4月には、抗うつ薬のサインバルタを二日に一錠、デパスを一日一錠にまで減らすことができました。

症状は完全にうつ病ではありましたが、適応障害が引き起こしたものであり、原因が取り払われてしまえば、その後の回復は速かったと言えます。

2020年11月8日日曜日

うつ病 の発症3回目 1

 2018年に薬が完全に抜けてから、うつ病とは無縁の生活を一年以上送っていました。

ただ、自分にとってうつ病発症の原因を作った上司に対する印象は悪くなり、上司との折り合いが悪くなったこともあって、2018年いっぱいで12年近く務めた職場を退職することになりました。

2019年から務めた職場は前職より給与も良く、新しい領域の仕事でもあり、張り切っていたのですが、新しく作られた職場なのに、職場を作り上げた人たちが古い体質の人たちであり、さらに霞ヶ関の意向を強く受ける職場ということもあって、朝令暮改は日常茶飯事、議題を決めずに行う2時間、3時間のミーティング、失敗は部下になすりつけ、おまけに懲罰規程まで作る始末。昼食は一時間きっちりで帰ってこないと「アイツは昼サボっている」と言われるような環境で、次第に職場の居心地が悪くなっていきました。

前の職場で抱えていた仕事があったため、その仕事を処理するため、週4日新しい職場に勤務することを総務部長と合意していたのですが、上司の事業部長は勝手にフルタイムで来るものと誤解していたらしく、それが気に入らないのか、「フルタイムで来ない人には、仕事を任せられない」とパワハラめいたことをやりだすようになりました。

6月下旬には職場に行くのが嫌になり、上司への嫌悪感を感じるようになったので、通っていた心療内科に抗うつ薬を再度出してもらうようにお願いし、サインバルタ1錠、デパス1錠、ユーロジン1錠をだしてもらったのですが、時すでに遅く、7月に入った頃には3回目のうつ病にかかっていました。

前2回よりもうつ病の原因がはっきりしており、職場環境の悪さであり、そのため、金曜日になると気分が明るくなる一方、日曜日にはずんと気が沈むような日が続きました。

2020年11月6日金曜日

うつ病の発症2回目 3 心療内科による治療 2

 私のうつ病の薬物療法は、2週間に心療内科に行き、10分程度の医師の診察を受け、処方箋でサインバルタ、デパス、ユーロジンをもらって帰る日々でした。

通常、うつ病の急性期は気持ちがぐらぐらと揺れたり、意味もなく泣いたり、逆にそわそわ、いらいらしたり、不眠症になったりし、そのうち死体のように体を動かせなくなるものですが、うつ病の回復期はこれらの症状が治まる代わりに、ただフラットに憂鬱な日々が続きます。

うつ病の急性期はもちろん辛いのですが、私にとっては、毎回、このうつ病の回復期の方が辛く感じます。言葉では回復期と言いますが、本当にゆっくりと回復していくため、自分では回復している実感はありません。

うつ病患者の場合、通常朝が一番つらく、副交感神経に切り替わる夜は体調も気分も良いものです。「明日もこの気分が持続して欲しい!」と毎日願うのですが、現実は残酷で、朝はただ辛い気持ちで目が覚めます。

7月下旬に入った頃、心療内科の主治医の先生から、「これだけ変わらないと、後は何をすればよいだろうねぇ」というようなことを言われ、絶望的な気持ちになったのを覚えています。

うつ病の治療は、ただ毎日薬を飲むだけで、気長にやるしかないんですが、短気な私にはかなり苦しいものでした。

2020年11月3日火曜日

うつ病1回目の発症3 急性期から一気に回復期へ

 納得しないまま、親の会社で働いていたところ、以前にお世話になった方から、自分の海外での経験が活かせるポジションが空くのだが、興味がないか?と打診を戴きました。

自分には、願ってもない職種、ポジションであり、二つ返事で引き受けることを回答しました。自分のうつ病が一気に快方に向かったのはこの出来事があったからで、人生後ろ向きにしか考えられていなかったのが、その仕事につくための心構えをほんの数週間で整えてしまいました。

うつ病で判断できない中でのことであったとは言え、父や、父の会社には本当に不義理をしてしまいましたし、海外から日本へ帰ってきて、また1年も経たぬうちに引っ越すことで、妻にもかなり叱られました。

しかし、周り中に不義理を尽くしたこの転職が、結局うつ病の寛解につながりました。本当に不思議なもので、転職してからは、全くうつ病の症状は出ず、引っ越し先では心療内科にも精神科にも通うこともやめてしまいました。

なお、本来は抗うつ薬や抗不安剤を少しずつ抜いていく過程が必要であり、私がこの時にやったように、一気にうつ病の薬物療法をやめてしまうのは危険なことなのだそうです。

こうして、晴れて初回のうつ病は寛解したのですが、うつ病発症のきっかけは海外生活での過酷な就職活動と短期間での引っ越しの繰り返しであり、うつ病寛解のきっかけはやりがいのある仕事につけたことだったと考えています。

2020年11月2日月曜日

うつ病の発症1回目 2

 うつ病を発症したまま帰国してからの日々は、自分には地獄のようでした。

実家の近所の心療内科に通いつつ、親の言われるまま、親の経営する会社に毎日通いました。

母親からすれば、「良かれ」と思ってやってくれたことなのでしょうが、「うつ病の時に大きな決断をしてはいけない」という原則からすると、うつ病急性期で判断能力のなかった自分を親の会社に放り込んだのは、跡取りとして期待していた父にとっても、本音では全く親の会社を継ぐ気がなかった自分にとっても、不幸なことでした。

当時は、うつ病の症状のため、毎朝ただ気が重い、肩や腰が凝ってだるい、人生が終わったような気持ちで、父の会社の工場で事務仕事をやりつつも、むりやり笑顔を作り、定時になったら帰宅するの繰り返しでした。

うつ病にかかったことのある人なら一度は訪れたことがあるのは、心療内科か精神科ではないでしょうか。私は当時心療内科に通っていましたが、抗うつ薬と、抗不安剤を毎食後飲むように処方されていました。残念ながら、薬の名前は憶えていません、

ただ、やたらに眠気の強い薬があり(おそらく、抗不安剤)、工場の人を通じ、父や母から、自分はしょっちゅう居眠りをしている、と叱られました。これも今にして考えれば、両親ともうつ病治療への理解がなかったわけで、抗うつ薬や抗不安剤の多くには、精神を安定させるため、眠気を誘発する効果があります。

うつ病急性期のまま、約半年抗うつ薬と抗不安剤を服用しながら、毎日父の職場へ通っていましたが、半年を過ぎた頃、大きな転機が訪れました。

うつ病の治療 抗うつ薬・抗不安剤とその薬効 抗不安剤とは

 抗うつ薬と共に、心療内科や精神科で多く出される薬が抗不安剤です。抗不安薬、精神安定剤という言葉も用いられ、むしろその方が馴染みが深いかもしれません。 抗不安剤は、不安・緊張・恐怖・焦燥などを抑えるため、内科や外科などでも処方されていますが、精神科・心療内科では、セロトニン系抗う...