抗不安剤は、不安・緊張・恐怖・焦燥などを抑えるため、内科や外科などでも処方されていますが、精神科・心療内科では、セロトニン系抗うつ薬の効果が現れるまでの症状軽減のために処方されることが多いそうです。
従って、抗うつ薬の薬効が現れ始めると、心療内科や精神科の担当医から、抗不安剤の減薬を勧められるようになります。
抗不安剤の用法について、服用時間等は特に定められてはいません。医師の判断で処方されているように思います。従って、毎食後(1日3回)という指定をされることもあれば、精神的に不安定になった時に服用する頓服薬として処方されている場合もあります。
抗不安剤の代表的なものとして、「ベンゾジアゼピン系抗不安剤」があります。これらの抗不安剤は脳内の活動を抑え、それが心の不安、緊張を和らげることにつながります。
ベンゾジアゼピン系抗不安剤は、服用した薬の濃度が体内で薄まったことを示す「半減期」により、短時間型、中間型、長時間型、超長時間型に分けられます。半減期が短ければ短いほど、素早く血中濃度がピークに達し、その後、すみやかに血中から除去される薬といえます。
ベンゾジアゼピン系抗不安剤は脳内の活動を抑制する薬効のある薬なので、昼間の強い眠気など、人によっては強い副作用が現れることがあります。のちに詳しく触れますが、私も抗不安剤の薬効のおかげ(?)で、気が付くと職場で居眠りしていたということが多々あります。
ベンゾジアゼピン系抗不安剤で特に注意したいのは、依存性です。ベンゾジアゼピン系抗不安剤を数週間以上毎日服用していると、薬に対し、体が依存するようになってしまいます。これらの抗不安剤の服薬を中止することで退薬症状が現れることがあります。物事を考えられなくなってしまうほどイライラしてしまったり、強い耳鳴りを感じたり、ひどい場合にはてんかん発作が起きることもあるそうです。
また、抗不安剤は長期間服薬し続けると、薬効が現れなくなることがあります。
これらのことから、抗不安剤の服用はできるだけ短期間にし、抗うつ薬が薬効を現し始めたら少しずつ減薬していくことが必要です。