治療法と言ってしまって良いのか、やや疑問は残るところですが、食事とうつ病の関係性について、海外を中心に近年多くの報告事例が出てきています。
一例として、地中海料理に代表される野菜、魚介、穀物の多い食事を摂っている人は心臓病・生活習慣病・アルツハイマー型認知症・パーキンソン病だけでなく、うつ病のような精神・神経の病気も少ないということが明らかになってきています。
和食も以前は地中海料理のように、野菜、魚介類、穀物中心の食事が多かったのですが、近年は加工食品、肉、パンなどを中心とした食生活に変化してきています。
ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、必須アミノ酸のトリプトファン、メチオニン、チロシン。魚油に含まれEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)鉄分、亜鉛などのミネラルは、うつ病予防に効果があると言われています。
ビタミンB群やビタミンCはストレス時に分泌されるホルモンと合成されます。逆に、ビタミンB群が十分に体内にあると疲労をためにくいと言われています。ビタミンB群を多く含む食品は、レバー、玄米、ナッツ、豚肉の赤身、緑黄色野菜等です。
鉄分もうつ病と深い関係が知られています。鉄分が不足すると疲労・焦燥感・無関心・集中力の低下などのうつ症状が現れることが明らかになっています。出産による大量の血液の喪失から、産後うつは鉄分不足と無関係ではありません。
トリプトファンやメチオニンといった必須アミノ酸が不足すると、うつ症状になりがちです。必須アミノ酸は、肉や魚、卵、大豆、牛乳などに含まれる良質なタンパク質から摂取すると良いと言われています。
食事療法は、どちらかというと、うつ病の未病的要素が強いように感じます。普段から、バランスの良い食事を心がけることが大切ということなのでしょう。
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